お通夜・お葬式で使われることの多い樒(しきみ)を調べていると、なんと毒が含まれているそうです。
実(み)は毒性が強いので、1番話題になりますが、木全体にも毒があるのだとか。
職場でバンバン触ってますが、全然知りませんでした。
ちなみに、樒を触ったからといってかぶれるとかそういったことも全くありません。
樒を触った後(というか、植物全般を触った後)というのは、手がやねこくなるので洗うくらいです。
葉や枝に関して言えば、特別食べるようなものでもないので大丈夫だと思うのですが、実は間違って食べて中毒症状を引き起こすこともあるようなので、注意しましょう。
この記事に書かれていること
樒の毒ってどんなもの?
樒は花や葉っぱ、実、そして茎から根に至るまで、全てに毒成分を含んでいます。
特に実には「アニサチン」という有毒物質を含みます。
食べると死亡する事例もあり、またシイノミと間違えやすいので、樒の実は植物としては唯一、毒性及び劇物取締法によって「劇物」に指定されているようです(゚д゚)
実際に起こった樒の誤食
樒の実をシイノミと間違えて誤食
樒の実はシイノミに似ているので、誤って食べて中毒が起きた事例があります。
平成2年の11月に神戸の自然教室に参加した15人の生徒は、樒の種をシイノミと誤認して炒り、小麦粉に混ぜてパンケーキを焼いたといいます。
この時に採った樒の種の量、約2000粒…
1枚のパンケーキには約250個もの樒の実が入っていたそうです。
酷い吐き気と痙攣に襲われ搬送された若者たちはそのうち意識障害で意識が混濁。
15人のうち無事だったのは2人のみで、あとは入院という事態になりました。
オソロシイですね…。
そんなシイノミと樒の実ですが、実際見比べてみると全然違います。
↑コチラがシイノミ
↑こちらが樒の実
シイノミはドングリの小っちゃいバージョンなので、田舎で育った私は
「これはシイノミではないな~」
と分かるのですが、都会で暮らしているとなかなかシイノミを拾うという機会もないのかもしれませんね。
実際シイノミと樒の実、慣れれば間違わないので、この記事を読んでいらっしゃるのであれば、子供には違いを教えておいたり、食べたりしないように伝えておきましょう。
スパイスのトウシキミと間違えて誤食
↑トウシキミ
スパイスの一種であるトウシキミの果実が樒の果実に非常に似ているため、
も沢山あります。
第二次世界大戦以前には、樒の果実を「日本産スターアニス(トウシキミ)」として出荷し、海外で死亡事故などが発生しています。
樒の中毒症状って?
アニサチンの中毒症状としては、
・嘔吐
・腹痛
・下痢
・痙攣
・意識障害
のようなものが見られます。
アニサチンは、基本的には手足がつっぱって全身が硬直する強いタイプの毒で、痙攣性の神経毒です。
最悪は死亡に至ります…。
樒の致死量は?
アニサチンの致死量は犬の場合は12ミリグラムだそうです。
人間で実験したことはないですが、60~120粒くらいの種子で中毒になると言われています。
樒ってどんな植物?見分け方は?
樒はお墓や寺などによく植えられています。
毒を持っているため、野良犬などが近づかず、お墓を荒らさない為に植えられているのではないかと言われています。
コチラが樒の葉です。
葉だけで見るとキレイです。
4月には花が咲きます。
薄黄色の長い花びらを持った花です。
樒の実は9月に熟します。
この実のなり方は特徴的ですので、木を見て、種の付き方がこんな感じだったら樒だと思ったほうがいいでしょう。
ちなみに椎の木はこちら↓
シイノミの成り方はこんな感じ。
違いは分かりやすいかな~と思います。
まとめ
本日は樒の毒についてご紹介させて頂きました。
樒は結構一般的でいたるところに生えていたりしますので、注意するようにしましょうね。
こちらも合わせてどうぞ↓
>>榊(さかき)と樒(しきみ)の違いとは?使われ方が全然違うので注意!