兼六園の噴水の仕組み「逆サイフォンの原理」って何!?日本最古の職人ワザ!

兼六園といえば二股の灯籠(ことじ灯籠)が有名ですが、兼六園の見どころはそれだけではありません!

兼六園には、日本庭園には非常に珍しい「噴水」があるのです。

しかも何も動力なしの自然の力で吹き上がっているからまた面白い。

そんな噴水がなぜできたのか?

どうやって自然の力で噴水になっているのか?

そういったところを詳しく調べてみました。

この原理を知っていると、兼六園をまわるのが一段と楽しくなりますよ^^

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兼六園の噴水は日本最古!その歴史は?

兼六園の噴水は文久元年(1861年)に作られた「現存する日本最古の噴水」です。

この噴水、特別な名前もなくただただ「噴水」という命名を受けています。

寛永8年(1631)、城下で火災が起き、金沢城は本丸御殿を消失するなど多くの損害を出したことから、防火用水として、また城下と場内への浄水として、潤沢な水の供給を確保しようとしました。

加賀藩13代藩主であった斉泰公がこの工事をすすめました。

兼六園の噴水はこの時に、二の丸に水を引くために試作されたものだそうです。

この噴水など、兼六園や金沢城の用水の仕組みを「辰巳用水」といい、この辰巳用水を設計したのは板屋平四郎という測量技術に優れた町人だったそうです。

辰巳用水は金沢城東南の「犀川」の水を取り込み、小立野・奥村邸前を流れ、平均勾配230分の1という緩やかな勾配によって、勾配差を利用して高台の兼六園に水を揚げられています。

前田家は全力でこの用水の工事に取り組み、農民や鉱山職人をどう動員し、1年間で辰巳用水を完成させたといわれています。

高度な土木技術が今も生きているのが兼六園の素晴らしさといえるでしょう。

この辰巳用水の設計をしたという平四郎ですが、どこで測量技術を学んだのかは不明となっています。

生没年も不明。

また、病死したといわれていますが、秘密保持のために暗殺されたという説もあります。

そんな謎が多い板屋平四郎という町人の存在も、兼六園をまわる際に一興を与えてくれます。

兼六園の噴水の仕組みは「逆サイフォンの原理」を使っている!

この噴水は自然の力を使って途絶えることなく吹き上がっているのも魅力です。

噴水より高いところに位置する霞ヶ池を水源として、池の水面との高低差を利用し、自然の水圧で吹き上がっています。

この水面の高低差を利用し、水が移動する原理を「逆サイフォンの原理」というそうです。

噴水の高さは通常だと約3.5mありますが、霞ヶ池の水位の変化によって、噴水の高さも変わります。

そんな逆サイフォンの原理とは、一体どのようなものなのか、よく分からなかったのでもう少し詳しく調べてみました。

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サイフォンの原理と逆サイフォンの原理

「逆サイフォンの原理」と聞いてピンときた方も多いと思いますが、「サイフォンの原理」というものもあります。

それぞれ見ていきましょう。

サイフォンの原理とは

サイフォンの原理とは、管が水面の上にあっても入り口と出口の水位の差で自然と水が流れる現象のことを言います。

高い水位の方から、低い水位の方へと水が流れ込みます。

逆サイフォンの原理とは

サイフォンの原理を逆さにしたものです。

管が下に通っていても、水位差を持たせることで、高い水位の入り口からは水が吸い込まれるように入っていき、低い水位の出口からは吹き上がるように水が出ていきます。

この原理を利用したのが、霞ヶ池と噴水となります。

霞ヶ池の水位の方が高く、噴水の方がある位置が低く、水位が低いので、出口から勢いよく噴水が噴き出す仕組みです。

この逆サイフォンの原理は日本では「伏越(ふせごし)の理」と言われ、実は飛鳥時代(7世紀)にはこの技術を日本人は知っていたのだとか。

この原理を利用し飛鳥寺の西に噴水が作られていることが「続日本書紀」の持統天皇の条に記録されているそうです。

逆サイフォンの原理が壮大に駆使された金沢城

水位の差により起こる逆サイフォンの原理。

金沢城では霞ヶ池の高い水位を使って、白鳥堀→内堀→二の丸…と、金沢城の全体に水を行きわたらせています。

一度下がった水が、逆サイフォンの原理によりもう一度上に駆け上がっていくのがなんとも面白いですね!

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兼六園の噴水に実際に行ってみた!

江戸時代の技術が駆使された兼六園の噴水に実際に行ってみました^^

6月の末に兼六園に行ったのですが、非常に蒸し暑い道を歩いていたところ、水の音が聞こえてきて、少し涼しさを感じました。

近づいていくと噴水が。

ここで撮影をする方も結構いらっしゃいました。

隣にあった立て看板。

沸き上がる噴水は、自然の力で吹き上がっているとは思えないくらい見事でした。

19世紀に作られ、ずっと吹き上がり続けていると思ったら感慨深かったですね。

また、噴水のおかげでその近くは涼しく感じられました。

兼六園を訪れた際には是非行ってみて下さいね。

まとめ

兼六園の噴水は19世紀に造られ、霞ヶ池と噴水の水位差によって自然に噴き出しています。

この原理を逆サイフォンの原理といい、日本人は古くから知っていたそうです。

江戸時代の技術レベルの高さに驚かされる、そんな噴水が兼六園に存在します。

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