こんにちは。葬儀屋女子(30代)の法子です。
田舎の葬儀社である我が社でも、近年家族葬が大変増えてきました。
3年ほど前までは3か月に1件くらいの割合でしたが、最近では1か月に5件くらいは家族葬に変化してきました。
そんな家族葬で一番気がかりなのは
「香典を受け取るのか?辞退するのか?」というところです。
答えから言ってしまうと、香典を受け取るか辞退するかの割合は実際50:50の割合です。(当社比。都会ではまた違うかもしれません。)
「家族葬だから香典は辞退するものだよね?」と聞かれる方もいらっしゃいますが、それは葬家の判断になります。
辞退する理由・受け取る理由というのもあります。
今回の記事ではその「理由」と、断るときの断り方についてまとめていきます。
家族葬を考えているけれど香典ってどうすれば良いのだろう?とお悩みの方は読んでみてくださいね。
この記事に書かれていること
そもそも家族葬をする理由は?
家族葬での香典を考える前に、そもそも「なぜ家族葬で葬儀をするのか?」を明確にすることが大事です。
一般的な例で言うと、
・故人が生前、「家族葬をしたい」「家族だけでひっそり送ってほしい」と言っていた場合
・遺族が故人とゆっくり最後の時間を過ごしたいという場合
・故人と喪主の世帯が離れており、その地域での付き合いが今後出来ない場合
・家族全員が定年以上で周りとの付き合いもなく、一般葬をしてもあまりお参りがないと考えられる場合
・まず家族葬だけ行って後で社葬などを行う場合
・自殺など、死因を周りに伏せたい場合
こんな理由で家族葬を行われる方が多いです。
これらの理由の中でも、
「家族葬を行った後に周りに訃報を伝えない・その地域での付き合いがその後できない」という場合は香典を辞退する方が多いです。
家族葬で香典を断る理由は?
「喪主や故人の家族がその地域から離れたところに暮らしていて、香典を頂いても返すことができないから。」
これが一番多く聞く「香典を断る理由」です。
その地域に暮らしていなければお悔やみ情報を確実に手に入れることも難しい現状がありますし、毎回現金書留などで送るのも大変なものです。
または、身近な人に故人を偲んで頂けるだけで有難いという考えの方もいらっしゃるでしょう。
家族葬で香典を受け取る理由は?
私が今まで見てきた家族葬(家族葬というか、実際は親戚まで呼ぶ親族葬のようなものが多い)では、親族からの香典なら受け取っていることが多いです。
親族同士であれば遠くても葬儀に参列することが多いですから、「返すことができる」から香典を受け取る人が多いです。
また、家族葬であってもそれなりに料金はかかりますので、お金があまりない…という方は、香典を受け取って支払いに充てる方がいらっしゃいます。
長く入院されていて、その支払いでお金がないという方もいらっしゃいます。
後々返していかなくてはならなくても、急な出費に対応するために香典を受け取るという方法になります。
他には、地域との付き合いはこれからもするけれど、本当に「葬儀だけは家族で行いたかった」という方も受け取られる方がいらっしゃいます。
要は、「後々返せるか否か?」が、香典を受け取るか受け取らないかの判断になります。
家族葬で香典を断るときの断り方
家族葬で香典を断るときの断り方について少しだけご紹介させて頂きます。
「故人の遺志」が一番角が立たない
まず、文言ですが、「故人の遺志により、香典は辞退させて頂きます。」これが一番多く使われますし、角が立たないです。
「遺族の意向により」などにすると、理由を聞かれることもありますが、「故人の遺志」であれば、それではしょうがないとなる人が多いのです。
家族葬の理由としても、「故人が家族だけでひっそり送って欲しいと言っていたから…」という理由が一番角が立ちません。
訃報案内でお断りする
次に断り方ですが、地域に訃報案内・会社に訃報案内をする時に「香典を辞退します。」と事前に伝えるという方法があります。
家族葬で執り行うので、訃報案内は必要でないことも多いです。
(逆に家族葬でも訃報案内は必ずするという地域もあります。)
電話でお断りする
親族などに電話で家族葬で葬儀をすることを伝えた上で、香典は辞退することを伝えます。
入り口でお断りする
式場に入ってすぐのところに「香典は辞退します」という旨の看板を葬儀社に用意してもらうことも可能です。
こちらは葬儀社に相談してみましょう。
香典を辞退していても、どうしても渡したいと言われたときは…
香典を受け取らないつもりでいても、どうしても香典を渡したいと言われることもあります。
何度か断っても、渡したいと言われた時は、受け取るようにしましょう。
また、葬儀社に相談すれば数個でも返礼品を用意してくれることが多いので、用意してもらってお返ししましょう。
まとめ
香典を辞退する理由は「今後地域での付き合いが出来ない」という理由が多いです。
親族からは香典を受け取る人も多いです。
「故人の遺志で香典は辞退させていただきます」という文言が一番角が立ちません。
また、地域差もありますので、その地域の葬儀社にこの辺りではどうしているのか聞いてみるのもいいでしょう。